初体験のいかだ下り

いよいよ最終日の朝、マーマレード付きパンケーキ2枚とコーヒーの食事を済ませると9時半に出発だ。今日はほとんど歩かないで済むので気が楽だ。

       このいかだで川を下る
       このいかだで川を下る

まずはいかだに乗って約2時間の川下りをする。

人数が多いので2つのいかだに分乗することになり、村の若者がもう1台の船頭として乗り込んだ。私たち夫婦はビットのいかだに乗るよう指示される。

 

いかだの前部に竹のやぐらが組んであり、そこに全員のザックを括りつける。私たち以外のメンバー3人が竹ざおを渡され、扱い方の説明を受ける。村の子供たちが川べりの木の上で見送ってくれる中いよいよ出発だ。もう再び訪れることはないのだろうと思うとつい感傷的になる。

いかだの行く手には、雷で倒れた大木や川面にせり出した大きな枝などの障害物が次々に現れる。ビットが「ライト!」と叫ぶと全員が竿を右側に構え岸辺や川底に突き刺していかだをコントロールする。

 

しかし、時には突き刺した竿が抜けなくなってあわや水中にという場面もあった。先頭に立っていたビットが、後部の端まで走ったあげくもう少しで落ちそうになったり、倒木に危うく衝突しそうになったり、S字の急流で右左と慌ただしく竿を持ち替えたりと、少しも退屈することがない。

 

川下りを始めて一時間ほど経った頃、いかだを岸に寄せてほんの少々休憩した。と言ってもいかだは全員の重みで半ば水中に沈んでいる状態だ。座ってゆっくりするというわけにもいかないので、私たちは立ったまま写真撮影をした。

 

ポーズを決めてシャッターを押したその直後、あれよあれよと言ってる間に夫は水中へボチャンと転落。2台のいかだをまたいでいたのがいけなかったようだ。川の流れがきついのでいつの間にやら一台が動き出してしまい、彼の足は右と左にさようならの状態になってしまったのだ。お気の毒さま。

二時間半の川下りもそろそろ終点という所にはちょっとした滝があった。

ここではいかだがよくひっくり返るらしい。安定を良くするためか、ビットは滝の手前でみんなをいかだの上に座らせた。

 

しかし私には荷物を括りつけた竹のやぐらにつかまるようにと言う。しかも竹の先が尖っていて危ないからと、ザックをクッション代わりにしてここに胸を当てて置くようにとの細かい指示だ。お陰で私はお尻を水に漬けないで済んだ。滝下りはまるでジェット・コースターのようでとっても爽快だった。

 

 

15 象に乗って