チーフの家で酒盛

「チーフの家に行こう」というビットの呼びかけでみんなでゾロゾロ隣の家にでかけた。部屋の外にテラスのような場所があってそこにみんなで車座に座る。ビットがどこからかギターを持って来てビートルズの曲など弾き始めた。

 

チーフは私たちにしきりと酒を勧める。私はなめるように少しだけ飲んでみたがものすごく強い。相当な度数のようだ。アメリカ人のフレッドは、チーフが巻いてくれた煙草を「良い香りだ」と言って目を輝かしている。彼は普段はノン・スモーカーなのにこういうものには特別な関心があるらしい。

 

イギリス人の双子の弟ジェームスがギターを弾き出した。なんと、クリームの「サンシャイン・オブ・ユア・ラブ」だ。彼のような若者でも30年近く昔の曲を知っているなんて驚いてしまった。私の大好きな曲だったのでおもわず口ずさんでしまう。

 

酒盛りパーティーは10時頃お開きになった。各自に2枚づつ割り当てられた毛布を敷布団と掛布団のようにして私は床に就いた。ところが隣に陣取ったジェームスが、暗やみの中で白っぽいものを広げていつまでもごそごそやっている。何をしてるのかとよく見ると、なんと蚊帳を張っているのだった。彼はどうしても蚊に食われるのがイヤなのだろう。私は全然気にしないであっという間に眠ってしまった。

 

 

9 2日目の朝