バリの日本人

バリには、何度も訪れているうちにとうとう住み着いてしまったという日本人が多いようだ。Mさんという女性もその一人である。彼女は夫を一人日本に残し、幼い息子と二人きりでプリアタン村に一年前から住んでいる。こちらに来た目的はウブド絵画を学ぶためとのことだった。ウブドの絵かきのグループのところに通い、見よう見まねで練習に励む日々だ。教えてもらうのではなく、先輩たちの絵をまねて描く職人芸なのである。

 

バロン・ダンスなどのデッサンを見せてもらったが、まだ形を捉えるという段階のようだ。バリ舞踊は手足の指先の緊張感をきちんと表現できるようにならないと、絵としての迫力が出てこないと思われる。それまでになるには長い修行を要するのだろう。私もいつかはチャレンジしてみたいものである。

 

彼女の妹はオランダに住んでいて、今春出産予定だそうである。その手伝いに行ってからバリに戻り、お金がなくなったら日本に帰るとのこと。 多分あと1年位はいられるだろうと言う。息子を幼稚園に入れなければならないから、いつまでもいるつもりはないらしい。もとコピーライターの彼女は「日本に帰ってから仕事があるかしら」と心配顔だったが、『ウーン、確かにそれは心配だ』と私も同感だった。

 

グヌン・サリはすごい!